ラ・モントルの手記

自由に、繋いで、美化しよう!

いやよいやよも好きのうちと

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アイドル業をちょっとばかしお休みしているあの人のインタビュー記事をチラリと読んだ。初っ端から「あれ〜こんなこと言っていいのか〜」という箇所を見つけ、事務所の許可はとかマネージャーがどうのとか、思わず彼の今後を心配してしまう自分がいて、可笑しいかもしれないけどなんだかちょっと安心した。どうやらまだ好きらしい。彼はまだしばらく私をファンでいさせてくれるらしい。
 
母国で行われたインタビューらしく、あちらこちらで中国語が飛び交う。故にいつだったかリツイートで回ってきた英語に訳された記事を私はざーっと目で追っていた。出だしは順調だった。だけどだんだん盛り上がっていくにつれて、単語や人物名はわかるのに何の話をしているのか全く理解ができなくなってくる。彼(ら)との時間を共有できていなかった私には、それは想像もつかない領域だった。きちんと最初から最後まで彼の中国での活動を追っているファンにとっては、答え合わせをしているようなものだろうと思う。「ああ、あの時の!」言えたらどんなに良いか。
 
 
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ファンがアイドルに求めるものは人それぞれだが、私にとっての「レイさん」は渇ききった心に癒しを提供してくれるオンリーワンの存在である。とにかく癒される。おそらく彼の全身からは滝のごとくマイナスイオンが放出されているに違いない。ただ画面越しに見ているだけでもぽわぽわと幸せな気持ちになるせいか「もっと近くで拝みたい!会いたい!」と思うようになるのは当然のことだろう。何せアイドル出身だ。だけど今現在、彼にはそう簡単に会えない。お金を払っても、そう簡単に会えない。
 
「お金積んでも会えないアイドルなんかもうアイドルじゃない」by友人
 
ところで先日。ファンミーティングと称した選挙活動が今春日本、東京にて行われることが発表された。これも正直微妙である。私の推しは参加できるかどうかわからない。そんな不確定な情報をもらったところでチケットを取ろうとするファンがどれだけいるのだろう。海外アイドルを応援している私たちにとって来日コンサートやファンミーティングというのは「年に数回あるかないかのバカンス」であり「アンチエイジングの時間」なのだ。その時だけは水を得た魚のようにイキイキし、現実を忘れられる。ひたすらに叫び、踊り、そして号泣するのである。カレンダーを見ては幸せな溜息をつき、ばつ印をつける。視界に入らないとわかっていてもダイエットしてみたり、一週間前ともなると気合いを入れてパックなど美容に念を入れ始める。ファン同士のコミュニティやダンスユニット、会場付近での配布物や即売会なども今や韓国アイドルとセットになって当日は花火大会ぶりのお祭り騒ぎである。
 
…この楽しみを誰が邪魔できよう。「残念ながらチケットをご用意することができませんでした」ならまだしも「中国でのスケジュールのため今回のコンサートには参加できません」はちょっと傷つく度合いが違う。前者が50万ボルトに対し、後者は100万ボルトだ。(行けピカチュウ!) 優先順位は単純に考えるとわかるはずなのに誰かがどうやら変な小細工しているらしい。これは工作室や事務所がどうこうの問題じゃなく、ハッキリ言ってオカシイと私は思う。9人グループのコンサートならばもちろん9人全員が来ると想定してチケットを取るし、万が一来れないような場合よっぽどのことがない限りは前もって申告するのが常識である。素人じゃないんだから1ヶ月毎にウキウキしながらスケジュール帳に予定を書き込むわけはない。コンサートなんか何ヶ月も前から場所をおさえておかなければ契約として成り立たない。
な・ら・ば・何・故
答えはまだ、誰も知らない。
 
 
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今回のインタビュー記事では「イーシン節」を感じさせてくれるような力強い発言がたくさんあって良かったと思う。だけど空港での出待ちの件。英語で記して数行だから中国語ではもっと短いかもしれない。そんなに深く考えないままに、ぽろっと口から出てしまったものなのかもしれない。それでもそのたった数行には、彼の葛藤がぎっちりみっちり詰め込まれていた。
 
インタビュアー「世界中を飛び回っているとファンが君を迎えに空港まで来たりするでしょ?正直どう思ってるの?」
レイさん「以前はプレゼントをくださる方も含めて、 僕は空港の出待ちというものにあまり良い印象を抱いていませんでした。大勢で走ったり大声を出したり、空港を利用している一般の方に迷惑をかけてしまうんじゃないかって。僕は皆がもっと意義のあることにその時間を割いてほしかったんです」
 
ここまではいつものレイさん。…が?
 
「でも今はこうも思うんです。僕に会うためにどれほど大変な思いをしてここに来ているのかって。もしファンの子達が僕を見て幸せだと感じてくれるのであれば、それもまたひとつの幸せの形なのかもしれません。だけど皆さん、くれぐれも安全には気をつけてくださいね!」
 
おっとっとっと。おっとーーー!英文からの訳なので少々肉付けしてますが、だいたいこんな感じのことをおっしゃっておられた。レイさんはその昔「手紙でじゅうぶん、物はいらないよ」「僕に何かを買うお金があるならそれを君のご両親のために使ってあげて。それも僕にとっては立派なプレゼントだからね」と話していた。ここにきて出待ちの話題が出ることにも驚いたが、いつもファンのことを考えているレイさんから生まれた結論がこのコメントだということを思うと、やっぱり少し悲しかった。他に言うことあるんでは、じゃなくて、何というか。以前は苦手だったものが年をとるにつれてある程度までなら許容できるようになったとか、新しい世界を知ったことで今までの自分の行いを改めようとするとか、そういうことじゃない。レイさんの今回の発言は「孤独」から来る「焦り」と「揺らぎ」に他なかった。
 
 
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エクソとして活動する機会が減ったことで自分を一番に応援してくれていたファン達は自然と離れていった。だからって「僕を好きでいることをやめないで」なんて言えるわけがない。震える声で絞り出した「僕を嫌わないで」がやっとだった。自分の周りから当たり前が消えていく。目に見えない繋がりが切れていく。生きていれば誰だって不安や孤独を感じることはある。何故ここにいるのだろう。何故この道を選択したのだろう。ふとした時に、それを振り返るきっかけが出来る。そして人は初めて自分の側にいてくれた存在の大切さに気付くのだ。誰かが自分のためにしてくれたこと。自分が誰かのためにしてきたこと。じゃあ、これからはどうだろう?
 
レイさんもきっと、ファンの期待に応えることができない自分を歯痒く思っている。だけど、そんな自分でも、後押ししてくれる人がいること。導いてくれる人がいること。そして「LAY」の帰りを待ってくれている人がいること。個人活動に身を置くことで、そのありがたさがより感じられるようになったのかもしれない。どんな形であれ自分という存在を認めてくれるならばそれは幸せなこと、むしろ素直に喜んでいいことなんだ、と。レイさんが個人事務所を立ち上げると発表した後に大手のペンカフェさんやマスターさんがこぞって「あなたを支持します」という声明を出したことを、私は今でもハッキリと覚えている。ファンはひたすらツイッターやインスタのタグを行使してサランへレイやらアイラブレイやら打ち込んでいたけど、この熱すぎるくらいのエールはレイさんにちゃんと届いていたと思う。あの時の「愛してる」にはもちろん「頑張れ」の意もあったけど「やめないで」という祈りに似た感情も込められていた。
 
 
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昔の写真を見ていると「かわいい」というより「懐かしい」と感じるようになってしまったのはいつだったか。実はこの金短髪はつい最近まであまり好きじゃない髪色アンド髪型だった。だけどここのところあまりにもエクソエクソしているレイさんを見ることができないから、過去の思い出達から補充しているというわけである。もっと綺麗にブリーチしてもらえばいいのに、なんてスクロールしながら画像を漁っていると「僕の髪は色が入りにくいから何度も脱色剤を使われて。頭皮が痛くて本当に死にそうでした」という記事が出ていたことを知り、つい20秒前の自分に謝るなどしてみる。死ぬ気で耐えたその色はお世辞にもあまり良い色とは言えなかったけど、努力の黄色として私の頭に刻みこまれた。マドレーヌ割った時こんな色だよね。
 
そしてなんと、わずかだが今回の個人事務所設立のインタビューにはエクソについて言及している箇所もあるのだ。まあ背負って活動しているから当然っちゃ当然だが、エクソの何について話すのかちょっとヒヤヒヤしていた私はこういう回答が聞けてホッとしたところがある。仕事仲間であり、兄であり、弟であり、友人。時には先輩、時には後輩。先生になることだってある。血は繋がっていないけど、兄弟のいないレイさんにとっては8人みんな大事な家族だ。
 
「あえて言葉にしたりはしないけど、僕たちは今でも会うと笑顔でハグをする。些細なこと。小さな愛情。それを繰り返していくうちに、気付いたらもう家族になってる」
 
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韓国語があまり話せなかった時、レイさんはスキンシップで人との距離を縮める努力をしていたのかもしれないと思うことがある。このコメントを聞いてレイさんらしいと思ったし、やっぱり根っこの部分は変わらないんだなと嬉しい気持ちになった。
 
 
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これからも笑顔が伝染するようなグループであってほしい。レイさんには、その一員でいてほしい。