ラ・モントルの手記

自由に、繋いで、美化しよう!

涙と一緒に詰め込んだウォーアイニーの行方

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線路沿い  一人歩いている夜道の街灯に影が二つ

君の亡霊だ   きっとそうなら嬉しいな

EXOの末っ子、セフンが4月12日に24歳の誕生日を迎えた。私が初めてセフンという存在を知った時彼はまだ高校生で、黄色の制服が似合うふにゃふにゃした笑顔が印象的な可愛らしい少年だった。そんな彼がグループを支える頼もしい存在になって久しい。まだ本当の意味で何も知らない"子供"だった頃、この世界の壁にぶち当たった。きっと色々なことを学んだ。人と人の間に絶対は存在しないということ、交わす言葉や繋いだ手の温かさだけで愛をはかることはできないということ。

彼はこう言う。「僕達EXOは、ずっと続いていかなきゃいけないんです」迷いの中でふと溢れた本音。時が経ち、その決意を負った少年はいつしか強く聡い男へと成長を遂げていた。今日はそんなセフンと私の推しであるレイさんとのエピソードをいくつか厳選して紹介しようと思う。

 

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まずこのグラサン兄弟についてだが、年はレイさんの方が3つ上である。(レイさん1991年生まれ、セフン1994年生まれ) グループの中ではそれぞれメインダンサー、リードダンサーという肩書きを持ち、コンサートのリハではポジション確認やペアの振り合わせ等でよく隣にいるところを目にする。韓国は日本よりも上下関係が厳しい。これはどのグループにおいても99.9%言えることだが、自分より年上の人は「〜ヒョン(兄さん)」と呼ぶし、敬語を使う。そんな中、この2人はあまりこのルールにハマっていない、寧ろ「敢えてそうしていない」そんな風に感じているのはきっと私だけではないと思う。

 

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変わらないと思ってた

そんなものあるわけなかった

昔、EXOがまだ12人だった頃の出来事だ。海外で行われるイベントに向け空港に到着した彼らは、先に代理で搭乗手続きを済ませていたマネージャーからそれぞれパスポートを受け取った。その際、末っ子であるセフンが率先して兄達の名前を呼んで渡していたのだが、レイさんのことを彼は「イーシン」と呼んだ。確かこの時ジョンインをカイと呼び、ギョンスをディオヒョンと呼んでいたのでどうしてレイさんだけ…と私は密かに違和感を覚えていた。

 

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離れない人に泣いたりしない

壊れない物に泣いたりしない

EXOが単体で出演した初めての連続番組、気付けばレイさんとセフンは自然とくっついていた。ファンサービスなのかと錯覚するくらい際どいものもあったけれど、彼らが作り出す"ゆるい"雰囲気は不思議と好感が持てた。一番印象に残ったのはご飯のシーンだ。肉や野菜をあまりにも適当な手さばきでドバドバ鍋に入れていくレイさんの隣で、箸を持ったままその鍋をじっと見つめるセフンはなんとも言えない表情をしていた。また、同番組でメンバー全員でプチ旅行をすることになり、どこかしらのフードコートでレイさんが一人で食事していた時のことだ。それをいち早く見つけたセフンがビデオカメラを持ったまま駆け寄ってきてこう言った。「どうして一人で食べてるの兄さん」さっき別にご飯を食べたけどお腹いっぱいにならなかったからまた注文した、とレイさんはしれっと答えた。「何食べてるの、紹介して」「牛の頭の、肉?」「美味しいの」「美味しいよ」「自由に好きなものを食べる、人生はこうでなくちゃ」「はは」「一口あげるよ、熱いから気をつけて」「うん、美味しいね」こんな会話を繰り返し、レイさんが完食するまでセフンはその場を離れなかった。全部は映ってないけれど、きっとたわいもない会話をしていたんだろう。たったそれだけのこと。私は幼い頃に口酸っぱく言われていた、亡き祖母からの"大切な人とは向かい合って食事をしなさい"という言葉を思い出していた。目を見て、表情を見て、会話をして、二人の時間を「一緒に」作ること。忙しいと理由をつけて蔑ろにされる食事の時間。大人になった今、その言葉の重さがわかったような気がした。

 

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一人で平気 嘘なら言える

言葉だったら どうとでも言える

共有する時間といえば、レイさんとセフンはよくコンサート前にこうやってひなたぼっこのようなことをしている。以前SNSにこの二人の様子が動画でアップロードされたことがあるが、真剣に話しているわけでもないし携帯を扱っているわけでもない。本当に、何もしていないのだ。片方が口を開けば、片方が笑う。何もないけれど、こうしてのんびりしている。新しく作った曲のこと、コンサートが終わった後の晩ご飯のこと、今ハマっているゲームのこと。そんなことをぽつりぽつりと話す。話題がなければお互いが無言を貫く。でもきっと、二人にとっての沈黙は沈黙であって、沈黙でないのだろうと思う。何も語らないけれど、側にいてくれる。隣に誰かがいることでその寂しい沈黙は「孤独」から抜け出すことができる。ふとした溜息だって欠伸だって、全部隣にいるその人が拾ってくれる。気を許すなんて言葉では大きすぎる括りかもしれないが、お互いを知ろうと色々やってみた。結果、こうなった。と考えると、とっても良い関係だ。そう思った。

 

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気持ちが見えたならいいのにな

いややっぱりいらないや 残酷だから

「EXOの中で一番かっこいいと思うのは?」「うーん、セフンかな」「グループの中で一番のイケメンは?」「セフンですかね」「レイさんから見て、かっこいいと思うメンバーは?」「皆かっこいいけど、代表として挙げるならセフンです」  昔からずっと、あの子は素敵だ完璧だとセフンの名前を連呼してきたレイさん。先程セフンがレイさんのことをイーシンと呼んでいたと記述したが、きっとデビューが決まってEXOとして表舞台に出た時からずっと、異国の人であり3歳年上であるレイさんのことを彼は良い意味で"対等に"見ていたのだと思う。何をするにしても言葉の壁がある。「あいつあんまり喋らないしさ」「どうせこっちが言ってることもわかんないんだろ」練習生のうちは少なからずそう思っていた人もいたはず。以前レイさんのインタビューを訳した時、過去の自分に手紙を書いたものの中に「君はいつも一人でいるね、親切な人は報われると信じて」「そしていつも良い人でいたいと思ってる、その心が本当の友人や兄弟を生むと信じて」とあった。言葉のせいでどれほど悔しい思いをしたか、どれほど寂しかったか、私にはわからない。だけど今レイさんがEXOの活動に参加していないにも関わらず、彼の母国語である中国語で一生懸命にスピーチをこなしているセフンを見ると、私はふとした時の二人が思い出されるのだ。

 

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自分の為に泣いたりしない

苦しい時も泣いたりしない

レイさんは弟達の中でも、特段セフンを可愛がっている。いや、可愛がっているというと語弊があるかもしれない。当然同じグループでも性格の合う合わないはあるし、得意苦手はあるだろう。だけどレイさんがセフンに向けるそれは何というか、特別なような気がするのだ。兄のふとした時の表情に「甘え」が見えた時、これは…と確信が持てた。以前セフンが雑誌か何かのインタビューで、年末に自分が声掛けをしてメンバー全員に集まってもらった、普段話せない色んなことを話して良い時間を過ごせたと語っていた。きっと、こういうところなのだ。レイさんは、セフンのこういうところが好きなのだ。この弟は皆の不満が爆発しそうな時、気持ちがバラバラになりそうな時「集まって話をしよう、ちゃんと聞くから」そう素直に言える人なのだ。相手に自分の気持ちを伝えるよりもまずは相手を理解しようとする、そんな人なのだ。中国人メンバーが皆脱退した後、母国語で会話できる人がいなくなってしまった。自分の考えや想いを伝える術を失ったレイさんを、伝えることを諦めようとしたレイさんを知ろうとしてくれたのはセフンなんじゃないか、そう思った。

 

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そんな君がさ なんで泣くのさ

僕より先に なんで泣くのさ

いつだったか、セフンがインスタに手の写真を載せていた。その写真には韓国語と中国語で一言。「辛い時は僕の手を握って。僕がいるから、怖がらないで」誰に向けたものかはわからない。だけどレイさんも見ていたであろうその投稿。8人のEXOが表舞台に立つ度に、1人のメンバーが忘れられていく。カムバも、CDリリースも、全部8人でやってのけた。コンサートも、番組出演も、全部全部8人だった。レイさんがいないEXOが当たり前になっていた。そんな時、セフンが皆にこの言葉をくれた。「力(ちから)」という魔法。見えないものだけど、それは確かに存在している。昔にも、こんなことがあった。

 

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言葉を選ばないのなら 傷つけて当たり前だ

後ろ向きで歩いてりゃつまずいたって当たり前だ

それは2013年の8月に遡る。大先輩であるSuperJuniorのラジオ放送「Kiss The Radio」通称:シュキラにお呼ばれした時の話だ。セフンがメンバー皆に宛てた手紙を音読するという昭和チックなコーナーがあり、照れ臭そうに一人一人に心を込めて読んでいた。時間内には全てを紹介できなかったため、放送終了後にその手紙の全文が公開された。

 

可愛いレイヒョンへ

僕はいつだって、ヒョンを信じてるよ

だから自分が正しいと思う道に進んでほしい

最近色んなことを話したけど

あまりにも弱気になってるみたいだったから(笑)

辛い時は僕を探してみてください

愛してるよ

 

今年のインタビューで明らかになったレイさんの本音。実は自分に自信が持てなかったと、これで良いのか、これが正解なのかとずっと疑ってきたと語った。デビューする前からその不安と一緒にここまでやってきたと。自分の弱さを認めなければ、強くならなければ。そのための努力は惜しまない。だけど、口で言うほど簡単なことじゃない。悩みは尽きなかった。そんな時、自分を嫌いになりそうな時、レイさんの代わりにレイさんを信じてくれたのは同じメンバーの末っ子だった。「僕は兄さんを信じてるよ」この言葉にどれほど救われたか。もしかするとこの時、個人事務所の話もしていたかもしれない。EXOでありたいという気持ちと、母国で認められたいという気持ち。どちらも捨てることはできない、どうしたらいいのか、どちらが正解なのか、そんなことをセフンに話していたのかもしれない。そうするとこの手紙にも納得がいく。前へ引っ張っていくというよりは、後ろからそっと押してあげる優しさ。それを持っている弟に励まされて、自分を好きになる努力をした。認めてもらうために努力をした。そしてそれを側で見守ってきたのも、やはり弟なのである。

 

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だから僕はもう  自分の為に生きたりしない

誰かの為に笑ってみたい

2015年にも彼はメンバーに手紙をしたため、それを番組で音読させられている。「今ここにいないけど、この放送を絶対みるからねといったレイヒョン」始まりはこうだ。この一文からもわかるように、お互い忙しいなりには連絡を取り合っているらしい。僕が何分何秒に何て言ったか確認するからね、とふざけながらも締めくくりは「怪我に気をつけて、健康でいてね」だった。「会いたい」とは、言わなかった。それは兄の努力を知っている弟からの精一杯の激励だった。自分らしくやって、自分だけの輝きを見つけてほしい。そしていつか、EXOに戻ってくる日を待っている。ウォーアイニーに込められた言葉の本当の意味は、レイさんだけが知っていれば良い。

 

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君と笑った 季節が終わる 

時は流れる たったそれだけ

可愛い可愛いオセフン。長くなりましたが24歳の誕生日おめでとう。何よりも健康第一。事故や怪我に縁がない人生でありますように。ずっとずっと、変わらないEXOの末っ子。その優しい心を持ったまま、かっこいいおじさんになってくれ。そして兄の良き理解者であり続けてほしいと願うばかりです。やっぱりというか、案の定というか、レイさんのペンミへの不参加が決まったみたいだけど、そんなことにめげない。しょげない。泣いちゃダメ!頑張れレイペン。強く生きよう。

 

 

 

自分の声や行動が誰かのためになること、リタ(利他)というらしいです。自分よりも、人の幸せを願うこと。この行為に名前がついていることに驚いた。EXOとは全然関係なくて申し訳ないのですが、これを聞いた時になんだか切ない気持ちになったので、BGMで流してみたら筆が進みました。←

このブログの最初からずっと赤文字で書いている詩、amazarashiの「リタ」という曲です。

興味のある方は是非どうぞ!

ビー玉の瞳の王子様がいるところ

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推しの所属しているグループが先日めでたく6周年を迎えた。2012年4月8日に幕を開けた「EXO」という舞台。彼らが演じ続けたのはアイドルとして生きていくもう一人の"自分"だった。あれから6年。今、エルドラドを聴きながらこのブログを書いている。「遠い将来、伝説となる歩みを」旅はまだ終わらない。

 

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それは中国時間の4月8日、0時ぴったりに投稿された。コンサート会場でメンバーとファンが一緒に写っている。レイさんが自分のカメラロールから選んだのはたくさんの愛が詰まった思い出の写真だった。

「6年間ありがとう兄弟、EXO-Lの皆さん」

これに弟がコメントを残している。

「イーシン、right here(兄さんはここにいる)」

 

レイさんの本名は、イーシンという。繁体字で書くと"藝興"で、簡体字で書くと"艺兴"だ。(画像参照)

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エクソというグループを知った時から私はレイさん推しでやってきた。そんな私が、ここ最近まで知らなかったことがある。レイさんの「名前の由来」だ。中国でレイというのは音だけ聞くと"大変"や"疲れる"という意味をもつらしい。中国語を母国語にもつレイさんがどうしてそのような名前を芸名として選んだのか、私はずっと引っかかっていた。いくら努力家、苦労人だとしても「疲れる」なんて名前が芸名だなんてどうもおかしい。モヤモヤする。何かある。きっと何かある。その答えが、今年の1月に明らかになった。

https://youtu.be/NDz4aZKc5kk

中国語がわかる方はこちらをオススメする。私はそちらの言語はからっきしダメなので、英訳されているブログを見つけて読んだ。2018年1月23日、現地のインタビューで語られた芸名の"本当の"由来だ。

 

「僕に選択権はありませんでした。デビューを間近に控えて、練習に励んでいた時のことです。会社のとある方が『君の芸名だけど、レイってどうかな』と、尋ねてきたんです。僕はどうしてなのか気になりました。すると花より男子に花沢類(ファズ・レイ)という、君にぴったりなキャラクターがいるんだ。物静かな性格で、音楽の才能に長けている。読者からの人気も高いんだよ』僕はデビューさえ出来ればあとは何とかなるなと思い「ああ、はい、大丈夫です、それで」とあまり深く考えずにレイという芸名に賛同したんです」

 

…花沢類!!?!?!!!

日本では小栗旬が演じた事で王子様キャラが完全に定着した、あの、花沢類。である。「ま〜きの♪」の、花沢類である。私は衝撃を受けた。レイさんは花沢類から生まれたのだ。まだ原石の時に、誰かが彼を見て花沢類を想像したのだ。あの人は、今(リアル)を生きる花沢類なのだ。会える花沢類なのだ。触れられる花沢類なのだ。芸術は、爆発だ。

 

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私は原作を読んだことがない。が、花沢類とは本来どういう人物なのかを皆さんと共有したいのでコピー+ペーストをさせていただく。


社長のジュニアとして厳しく躾けられ、他人と関わり合うのが苦手。性格は実直かつクールでひたすらマイペース。昼寝が好きで常にボーっとしているが、見るべき所を見ている。感性が豊かで鋭い芸術センスを持ち、バイオリンが好き。あらゆる面において器用だが、興味のないことには手を出さない。インドア派であり、放課後もF4の他のメンバーように群れて夜遊びすることを避け、寝ているかテレビを見ている。特にバラエティ番組が好き。普段は無表情でありながら、笑いのツボにはまると周りが引くほどの笑い上戸と化す。

幼稚舎の頃から藤堂静に恋心を抱き続けていたが、静を追ってフランスで一緒に暮らすうちに、恋ではなく憧れだったと気付く。つくしの良き相談相手で、英徳の非常階段でよく会っていた。のち、つくしを好きになる。つくしと付き合おうとするが、友達思いなため、司のために最後は身を引く。何かがあった時にはいつもつくしを守りつくしの一番の男友達。つくしと親友の優紀との間では、ビー玉の瞳の王子様と呼ばれていた。また、かなりの低血圧。

この人の欠点っていうと男性というより守護天使っぽいところですかね。

 

…なんだと?!!?!!?

まんまレイさんである。おそらく、9割方合っている。下手するとドンピシャである。どこのどなたかは存じませんが、レイさんをレイさんとしてくれたことに感謝である。奇跡か。スタンディングオベーションを送りたい。いや、守護天使とまで言われる花沢類を地でいっているレイさんこそむしろ奇跡なのかもしれない。

 

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6周年という節目を迎えてもまだワクワクすることが待ち受けているという確信がある。今回の一件で、またレイさんをひとつ知ることができた。今度は何を教えてくれるのか、今から楽しみである。

さて、そろそろ時間になりました。私が今まで読んだレイさんのインタビューの中で、一番「やばいな」と思ったものを紹介して終わりにしたいと思います。ファンといえど、何言ってんのこの人と思うことはある。

 

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「また、レイがメンバーのお尻を頻繁に触るとシウミンに暴露されるとレイは『僕は、ハイタッチをする感覚でメンバーのお尻を触っているだけだ。ステージに上がる時、メンバーの両手は忙しいから邪魔にならないために』と言って、愛情表現であることを強調した。」

 

 

まったくもって意味がわからない。

やはり中国の花沢類は、芸術だ。(完)

推しの顔に金箔を塗る

お久しぶりです、こんばんは。このブログを更新した最終日が2016年…つまりまるっと2年間放置していたことになる。全く追っていなかったといえば嘘になるが、何の番組に出てどんなアルバムを出したとか、肝心なことは殆ど知らない。EXOから離れてずいぶん経った。変わらないもの。変わってしまったもの。私はまた、ファンに戻れるだろうか。どうかな、レイさん。

 

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「自分らしさって何だろうって、考えれば考えるほどわからなくなって、気付いたら家と職場を往復するだけの毎日だった」

春はあけぼの。ぽかぽかした天気が眠気を誘う土曜日の午後1時。フォトジェニックの集合体のようなキラキラしたカフェの隅っこに、私と友人は向かい合って座っていた。鬱になりかけて約4年勤めた会社を退職したという彼女は同窓会ぶりに会った私を見るなり「あんたも変わったね」と言った。

限られた時間の中で彼女の話を"聞く"というよりは"受け止める"ことが出来るように、その話の内容がどんなに理不尽であっても、どんなに屈辱的なことであっても、私は口を挟まず頷き続けると決めていた。上司のこと、後輩のこと、家族のこと。「自分が元々どんな人間だったのかわからなくなった、周りとどう接していたかも思い出せなくなった、ただ辛かった」寂しそうに彼女はそう呟いた。クリームソーダのアイスはもう緑の海に沈んでいた。

ありえない高さの生クリームが乗ったパンケーキを切り分けながら話は続く。彼女は趣味に時間が割けなくなったことを嘆いていた。私たちは元々根っからのオタク体質で、何かに依存して何かに励まされて生きてきたタイプの人間だった。だから彼女の話す「辛さ」は私にも当てはまる。私が考えている言葉を彼女が代弁してくれている、正直怖いとさえ思った。お互い学生時代からバイトのお給料は全部そっちに注ぎ込んでいたし、二人でコンサートにも沢山行った。後悔なんか全くしていなかった。むしろ社会人になったら「自由に使える金が増える!」といった能天気さを持ち合わせているくらいだった。だけど、現実はそう甘くはなかった。

私自身もこのブログを更新していなかった2年間、仕事が忙しくて自分の趣味を忘れてしまうレベルまで達していた。「趣味を忘れる」ってそれじゃあ元々趣味でもなんでもないじゃん、と思う方もいるだろう。実を言うと私もそっち側の人間だった。自分のしたいこと、好きなことが趣味だと。それがあるから頑張れる。それがあるから生きていける。現実離れしているもの、癒しとして特別に考えているもの。もちろん自分の仕事に沿ったものもあるだろう。人それぞれの定義がある「趣味」。

入社して数ヶ月、ようやく慣れた頃に大きな案件を任されることになった。寝る間も惜しんで資料作りに励んだ。やり甲斐のある仕事だと本気でそう思えた。上司に何度も頭を下げた。取引先に何度も足を運んだ。人生の中で今が一番イキイキしていると、自分ではそう思っていた。上ばかり見て歩いていた。好機を掴めるように、困難は避けれるように。だから落としたものに気付けなかった。大切なものはしっかり抱えてきたはずなのに。どうしてだろう。いつしか私の中から「趣味」が消えていた。

 

「好きなことにも、体力って使うんだな」

凄いことを知った。世紀の大発見だった。この会社に入るまで私はそんなこと知らなかった。考えてさえいなかった。ある種の気合いとか、情熱とか、そういったものはこの土俵の上では完全に無力だった。

 

私は幸運なことに今から約2ヶ月前に同じ系列の会社に移ったため、以前よりは時間に余裕が持てるようになっていた。いっときの間でも「自分」を失った私だからこそ彼女の話をしっかり聞いてあげられると思ったし、彼女にもかつてのような自分らしさを取り戻してほしかった。

私がこの数年で学んだのは趣味は単なる「好き」という気持ちだけで形成されるものではないということ。私のようなオタクは推しを応援することに最も時間を使うし、もちろんお金もかかる。切羽詰まった人間は趣味なんかなくなって生きていける。実際、私はそうだった。だけど、生きていけるけど、中身が空洞じゃいつかきっと潰れてしまう。自分を守るために。自分が好きな自分でいるために。毎日が晴れの日じゃない。突然の大雨、まさかの崖っぷち、どこから出てきた砂地獄。趣味はきっとそんな日々を懸命に生きる人にとっての「寄り道」。私はそう思うようになった。

社会では八つ当たりされたり、責任を押し付けられたり、いろんなことがある。だけど道はひとつじゃない。真っ直ぐ歩き続けようとするから辛くなる。360度を見ようとする余裕が大切なんだと。マラソンのコースみたいに、上り坂と下り坂が初めからわかっているわけじゃないから、どこでペースを早めたり遅くしたりすれば良いのかわからない。努力、勘、運。そして才能。人生の中で成功する要素と言われているそれらに「余裕」をプラスすること。それが頭にあるだけでだいぶ違う。

私は今の職場に変わってから、以前と同じようにアイドルにキャーキャー言う楽しい日々を過ごしている。公式サイトや動画配信アプリを見るたび、どうして2年間これを断つことができたのかと不思議でならない。頑張ろう、という強い気持ちは時にプレッシャーになって自分を縛り付けてしまう。肩の力を抜いて常にいろんな方向を見据えることのできる人、そういう人になりたいと強く思う。

今日は私が払うと伝票を持ち席を立った彼女は「○○は流石だと思う、やっぱりオタクの気持ちはオタクにしかわからない」という名言を残していった。これからしばらくは有給消化でのんびりするという。会計が終わって店を出るなり次はこの店ね、と彼女が見せたスマホの画面。「行きたいところリスト」なるものが並んでいた。夜景の見えるイタリアンディナー。次はあんたの奢りね、そんな魂胆だろうと思った、と私たちは笑いながら腕を組んで歩いた。私と彼女に「次」があるということ。ホッとした。何故だかとても泣きたくなった。

 

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私の最推しはEXOというグループに所属しており、名をLAY(本名:チャンイーシン)という。中国の長沙出身で、10月生まれのA型。彼の性格について簡単に説明すると、ザ・努力家で超ストイック。誰もが認める"真面目"な人間だ。メインダンサーを努め作詞や作曲を自ら行う一方、時々4次元へ出かけては妖精さんと会話するという不思議ちゃんな一面も持っており、場を和ませる天才とも言える。仕事に関しては最もナンバーワンへの意識が高く、コメントや雑誌のインタビューではその意思の強さを垣間見ることができる。まあそういう人である。

彼は現在、個人事務所の仕事をメインで行なっており、主に中国での活動に精を入れている。韓国の事務所に所属している外国人アイドルが専属契約を結び個人事務所を立ち上げるなどといったことは過去に例がなく、それを見事にやってのけたレイさんは当時大きく報道された。

こちら参照どうぞ↓

https://youtu.be/tqAGQ_UP9VA

 

このEXOというグループは当初8(韓国):4(中国)の12人グループとしてデビューしたが、今現在は8(韓国):1(中国)の9人で活動を行っている。中国組の3人は脱退、いずれも訴訟問題に発展しているため中国人であるレイさんがその後を追うのも時間の問題だと世間から揶揄される声は以前から多くあった。ところがどっこい、現在も彼はEXOのLAYとしてグループの一端を担っている。だが個人事務所がとってきた仕事が優先されているため所謂「籍だけ置いてます」状態であることには違いなく、なんと母国の中国を拠点として単独でバリバリ任務をこなしているのだ。夏のカムバは不参加が決定し、日本で冬に発売が決まったグループとしての初のアルバムも、そのパッケージに彼の姿を見ることはできなかった。私は過去のツイッターやインスタ、様々なSNSを駆使してレイさんを探してみたがやはり"EXOのLAY"はどこにもいなかった。

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そんな彼が今年の1月17日に中国版ツイッター、WEIBOで投稿した文がとても素晴らしかったのでちょっと紹介させてほしい。中→英→日のため意訳有りですがご了承ください。

(以下全文)

「2012年のチャンイーシン、こんにちは

 僕は2018年のチャンイーシンです

今日は君にとって特別な日だね  ちゃんと覚えてるよ

17歳の時に思い描いていた夢、あの夢を叶えるのは簡単じゃない

だけど暗闇の中で必至に努力して、汗にまみれて迎えた朝  あれらは全て無駄じゃなかったよ

君は幸運だ

焦り、憂鬱、恐れ、挫折、不安

あの頃、僕は自分を疑ってた

 

今、その気持ちはどこかに消えちゃった

僕は変わったよね そうでしょ

あの頃の僕は一日一日を無駄にしまいと必死だった

 時が経つのは早かった  6年だよ

ねえ、今の僕は努力は報われるって信じてるんだ

努力すれば運も味方になってくれるって

だけどあの頃、僕は自分を疑ってた

 

今、そこにいる君は自分が想像したよりも強くなくちゃいけない

君はいつも一人でいるね

親切な人は報われると信じて

いつも良い人でいたいと思ってる

その心が本当の友人や兄弟を生むと信じて

だけどあの頃、僕は自分を疑ってた

 

今、その素敵な友人や兄弟が増えて僕は欲張りになったね

自分の音楽を聴いてほしいと

自分の考えや想いを世界中に届けたいと

だけどあの頃、僕は自分を疑ってたんだ

 

今、海外のチャートで僕の歌は評価されてる

びっくりするでしょ

君は天がどれほど高いか、海がどれほど深いかを知らない

まだ浅はかな君は、自分を好きでいてくれる人たちを大切にするんだと

そしてその人たちを失望させないようにするとそう言っているけれど

実際、そんなのできやしないんだ

 

だけど今、わかったことがある

君は応援してくれる人のために、努力し続けなきゃいけないんだって

4年頃またこうやって手紙を書くかどうか楽しみだな

 

君はいつも憧れや夢について話しているね 

そうしてひとつずつ目標を掲げていくけど、

やっぱりまだ僕は君がそれを成し遂げることができるのかどうか不安に思ってるよ

 

でも願わくば、叶えてほしいんだ

君ならきっとやってくれる

10番を背負った少年よ

その強い気持ちを胸に、君は前へと進まなきゃいけない

君がどんな素晴らしいものを見せてくれるのか

僕はこれからもずっと楽しみにしてるよ

 

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(10はレイさんの背番号。メンバーは皆それぞれ好きな数字を選んでつけています)

 

グループとしてのデビューは2012年の4月8日だが、EXOはその日までのカウントダウンとして2011年の12月23日から"100日間プロモーション"を行った。小分けにして投稿されたその動画はティーザーと呼ばれ、レイさんは2012年の1月17日にそのティーザーで私たちファンへの初お目見えとなったため、この日を彼のデビュー日として祝うファンは多い。

その記念すべき6年後、2018年1月17日の投稿。レイさんの「想い」が見えた気がした。個人事務所を立ち上げた当初は「EXOのメンバーとしての活動も頑張る、個人での活動も頑張る」という感じだったが、やはり出来ることと出来ないことがある。EXOにいない期間が1年のうち大半を占めていること、そのため脱退が囁かれていること、これらはもはや変えようがない事実なのである。だからこそレイさんにはどんなスタンスでこれからやっていくのかをきちんと示してほしいし、私たちファンにそれを伝えることを諦めないでほしい。

彼は「努力」という言葉をよく使う。テストで良い点を取るために毎日決まった時間勉強をする、売り上げを伸ばすために集計をつけてみる。同じ目標を持っていても努力の仕方は様々だし、人によってその度合いも違う。日頃どんな努力をしてますかと尋ねられたとき具体的にこれだとパッと提示できる人もいれば、ぼんやりとしたイメージしか浮かばないという人もいる。比べることはできない。比べる必要はない。見える努力と、見えない努力がある。正解はわからない。だけど、きっとレイさんにとっての努力は「自分を疑わないこと」だと私はそう思っている。

 

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この投稿に何度も繰り返し出てくる「あの頃、僕は自分を疑った」。不安を押し殺し、自分を信じようと必死に気持ちを奮い立たせること。弱さに負けないこと。それらが彼にとっての「努力」なのだと思うと、やっぱりかっこいいなって誇らしくなった。そうだった。私はレイさんのこういうところを好きになったんだった。異国の地で言葉もわからず、人に馴染めず、文化も常識も何もかも違う場所でたった一人で頑張ってきた。もう十分、よくやったと思う。だけど敢えてこの日に投稿した。まだ自分は「EXO」なんだと。「EXOでいたい」と。それならばこちらも声を大にして言いたい。私たちファンもレイさんには「EXOでいてほしい」と。

 

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デビュー当時10代だった末っ子達はもうすぐアラサーを迎える。年長組はそろそろ兵役が迫っている。いつまで一緒にいれるかはわからない。だけど、帰る場所がある。理解してくれる兄弟がいる。また9人でステージに立てるように。隣の国から祈ってます。最大限の愛をこめて^^  엑소,사랑하자!!!!!!!!!!

 

 

とりあえず寝て待つのがよろし

休みが欲しい。宝くじが3億当たったら今すぐ会社を辞める。正直毎日がしんどい。この間は屍のごとく15時間も寝た。いつもより沈んでいた今日だからこそと、思い立ってレイさんのコンサートフォトブックのインタビューに訳をつけてみた。相変わらずのポジティブシンキング。壁にぶち当たっても諦めることはせずに別の方法で攻めていく。もちろん迷うこともある。だけど自分の選んだ道を信じることのできる強さを持ってる。その一方でぽろっと溢れた本音が「この人も普通の人間なんだな」と思わせてくれた。それなりに傷つくし、それなりに悩むし、それなりに涙も出る。デビューする前から紆余曲折な素晴らしい人生。それでもこの場所に立っている、立ち続けているレイさんはやっぱりすごい。私はこの人のファンになって本当によかった。

 

【EXO PLANET#2 The EXO 'luXion Photobook】より LAY Interview 

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「こんにちは、EXOのレイです。僕が今EXOのメンバーとしてこの場所に立つことができているのは他でもなく、ファンの皆さんのおかげです。デビューして間もない頃、EXOがまだそれほど有名でなかった頃から僕たちを見つけてくださって、愛してくださったからだと、僕はそう思っています。5年もの間、共にEXOを守ってくださったファンの皆さんには本当に感謝しています。これからも僕たちはお互いに手と手を取り合って進んでいきましょう。皆さんとEXOが一緒にどこまでもどこまでも走っていけるよう、お互いを見守っていきましょう

 

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「それでは公演を終えた感想をどうぞ」

「44回の公演を無事に終えることができて満たされた気持ちでいっぱいですが、その反面で悔しいこともありました。44回の間継続して全て同じ構成での公演を行いましたが、僕は都市ごとに異なったステージを作り上げたらファンの皆さん達により面白く感じていただけるのではないかと思うことがありました。次回は少しずつでも変化のあるステージを演出できたらどうかな、なんて1人で想像したりしています。良い案だと思いませんか?」

 

「世界中を周りましたね。国ごとに異なる感想が生まれたと思いますが、母国である中国でのステージはやはり安心するものですか?」

「世界のどこにいてもステージに立つ時は同じ気持ちです。ただ、中国の公演では饒舌になります。言葉の問題でしょう。中国を除く海外で行うコンサートではメンバー達の言葉を通訳を通して皆さんに届けることになりますが、そうやっていると話したいことがあっても萎縮してしまう気がします。通訳をしている間はどうしても少しの間隔が空いてしまうので、メンバーが何かを話してもすぐ反応することが難しいですよね。中国では僕がいるからファンの皆さんと意思の疎通が容易にできるので話すことも多くなりますし、だからこそメンバーの言葉も積極的に通訳するようにしています。

 

【EXO PLANET#2 The EXO'luXion】において演出家のキム・ジェウォン氏がパフォーマンスと同じくらいファンとの距離の近さを強調していらっしゃったのですが、レイさんもメンバーとしてこの点について何か意見等はされましたか?」

「彼が今回のコンサートではファンの皆さんに僕たちと距離を感じさせないような演出をしようとおっしゃったので、元々ファンの皆さんとたくさん交流したいと思っていた僕にはとても良い機会でした。彼は演出だけではなく全てにおいて上手く構成を練ってくださいました。ダンスもかっこよく、音響も素晴らしい。最高の演出家です。僕はこの間、独自のスタイルのステージを作り上げることに努めました。

 

「『EXODUS』のステージでセクシーなパフォーマンスを見せてくれましたよね。どのように企画されたのですか?」

「僕のダンスは元々セクシーじゃないですか?(笑)ちょうどその時僕がトレーニングをしていたからなのか、キム・ジェウォン氏から「セクシーパフォーマンスをするのはどうか」と提案があったんです。正直僕は自分の身体自慢というんですか、そういったことはあんまり好きじゃありませんでした。ですが僕がそれまでこのようなダンスパフォーマンスをしたことがなかったので、ファンの皆さんが見て新しいと感じていただけたらいいなと思い、今回挑戦してみることにしたんです」

 

「次のコンサートでもこのセクシーパフォーマンスは見ることができますか?」

「前もってスタッフさん達に伝えておけば、全部脱いじゃってもいいかななんて考えてもいます。(笑)」

 

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「今回のコンサートでレイさんが一番満足したと感じたステージは?」

「アンコールですね。ちょっと照れくさかったですが、僕が作った「約束」という曲がファンの皆さんにちゃんと届いているようだったので、嬉しかったです。僕の心がこもった曲ですから」

 

「ステージで挨拶をしている途中で「ウインクを練習していました」とおっしゃっていましたね。本当ですか?」

「あまり大きい声で言いたくはありませんが、デビューする時僕はこれといった芸を持っていませんでした。だから何かしら準備しなきゃいけない、と思って前もってこっそり練習していたのがウインクだったんです。メンバーは皆できるのに、僕だけできないって恥ずかしいじゃないですか。実際、初めは全くできませんでした。ですが1週間ほど練習したら上手くできるようになりました。努力の成果です。

 

「レイさんはステージに立つ前、緊張する方ですか?」

「いいえ、緊張することはないですね。ファンの皆さんに早く会いたい、って思ってます。緊張よりはステージに立てて嬉しいと思う気持ちの方が大きいです。デビューする前、練習生だった頃はパフォーマンスを誰かに見せるとき緊張することもありました。自分に自信が持てなかったからです。ですが今は違います。コツコツ練習して、成長するために努力して、皆さんが僕のステージを楽しみにしてくれているという実感が得られたことで、それが自信に変わりました」

 

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「レイさんは控え室では主に何をして過ごされていますか?」

「あまりワイワイすることはないですね。ステージに上がる前はかえって口数が少なくなるタイプみたいです。衣装やヘアメイクのチェックをしながらコンサートの準備をしています」

 

「公演が決定した後、本番までは練習の期間が設けられていますよね。その間楽しいと感じるのはどんな時ですか?」

「ベッキョンがイタズラをしている時です。彼は冗談抜きでずっとイタズラして遊んでいます。カイは練習等とても真面目に取り組むタイプですが、ベッキョンはそんなカイにも同じようにちょっかいをかけるのを目にします。カイは笑っていますけどね。笑わずにはいられないんじゃないでしょうか?よく笑ってます。意地悪なイタズラ、悪ふざけをされると時々イラッとすることもあるじゃないですか、でも彼に対してはそう感じたことはありません。本当に面白い人です」

 

「レイさんが1日に一番時間をかけることは何ですか?」

「楽曲制作に時間を費やすことが多いです。作曲と編曲をしています。メロディーを作る作業に比べると編曲はより複雑なので難しいですが、それがまた面白いんです」

 

「今回のコンサートで「約束」を聴かせていただきましたが、どのようにして作られたのですか?」

「「約束」は僕がメロディーを作って、チェンが歌詞を書いて、チャニョルがラップ部分の歌詞を書いて完成した曲です。EXOがファンの皆さんに感謝の気持ちを伝えたくて作った曲だったので僕だけじゃなくてメンバー達と一緒に、って思ったんです。皆さんが僕たちを応援する時に掲げてくださっているバナーを見ると「約束」という単語がとても多かったので、題を「約束」にしようと決めました。そして演出家のキム・ジェウォン氏に僕はこのコンサートの最後の曲として「約束」を使ってほしいと申し出ました。彼は「ラストでゆったりしたテンポの曲をもってくるのはちょっと…」と困っている様子でしたが、曲を聴いて出たのは「良いね!」というゴーサインでした」

 

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「2度の世界中を周るコンサートを終えた今、ファンと約束したいことがあるとすればそれは何ですか?」

「これからもずっと僕の作った曲を聴かせてさしあげます!そしていつか、僕の曲で構成されたステージをお見せしたいです。僕が作った曲を全世界のEXOファンの皆さんに聴いていただきたいです。中国にも僕と同じように音楽が好きで、素敵な曲を作っているアーティストがいるということを知って欲しい。僕の曲を聴いて韓国の音楽だけでなく中国の音楽にも関心を持っていただけたなら、こんなに嬉しいことはありません

 

「パフォーマンス、特にダンスが素晴らしいと感じました。これは努力で成し遂げたものですか?」

「ありがとうございます。ダンスかぁ…もっと努力しなくちゃいけませんね。ちょっとでもサボってしまうとすぐ元に戻ってしまいます。ダンスにも流行があるので、毎日新しいダンスを研究して練習をしなければすぐ抜かれてしまいます。一度遅れを取ってしまったら、再び先を行くことは容易ではありません。ダンスでも歌でも、毎日成長しなければならないと考えています」

 

「本当に努力なさっているんですね、レイさんはアーティストにとって最も重要なものは何だと思いますか?」

「僕は実力と心の持ち様、が大切だと考えています。知識もそうです。だから音楽について作業するときはより集中して取り組んでいます」

 

「ソウルコンサートでの最後の挨拶で「ファンの皆さんから感動をたくさんいただいて…」と話されていましたが、レイさんが公演中に一番感動した瞬間というのはいつですか?」

「いつも会場がファンの皆さんでいっぱいな事自体、感動に値します。そしてEXOを愛してくださっていることもまた感動です。僕がステージに立っている時、コメントしている時、言葉をかけてくださって、応援してくださって、皆さんの全てのアクションに僕は感動しています。「まだレイを愛してくださるんだな」そんなことを考えたりします。EXOのステージに立つ機会をくださるファンの皆さんには本当に感謝しているんです。中国でドラマや映画など様々な活動をしていてEXOのスケジュールに参加できない時もありましたが、それでも僕を理解してくださってありがとうございます。僕は中国で活動している時もEXOのメンバーであるということを忘れたことはありません。僕が中国で成功すれば、EXOをたくさんの人に知っていただくチャンスになると信じています。中国で仕事をしながらEXOの話をよくします。僕だけじゃなくてメンバーの誰か一人でも中国で認められたら、チームEXOも知っていただけるんじゃないかと思うからです。どちらにとってもプラスの影響を与えるじゃないですか。僕の本当の気持ちは、時が経てば見えてくるはずです。僕が今のように誠心誠意、ひたむきに地道にEXOの一員として活動を続けるならば、皆が僕の想いを理解してくださると信じています」

 

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「レイさんはステージ上でファンが掲げているバナーやプラカードを読みますか?思い出す言葉やフレーズなどはありますか?」

「はい、そうですね… ファンの皆さんと直接お話できる機会はそう多くありませんが、いただいたお手紙はひとつひとつ全て読んでいます。プラカードも読むようにしています。”シウミン、完璧な肉体美” なんてすっごく可愛くないですか?僕は皆さんからいただく全ての言葉ひとつひとつをとても嬉しく思っています」

 

「ステージでコメント中に「ダイエットしなくても綺麗だよ」とおっしゃっていましたが、どういう意味ですか?」

「全ての男性が痩せている女性のことを好きだというわけではない、ということを言いたかったんです。人それぞれ持っている魅力が違うように、人それぞれ理想も違います。自分の魅力と価値を理解してくれる男性を見つけることが一番です。誰かを意識しながら生きることに捉われないでください。大切なのは、自分自身を愛しながら生きていくこと。だからわざわざ無理をしてダイエットなんかしなくてもいいんです」

 

「コンサート中、感情が昂ぶってしまうことはありませんか?今回も涙を堪えているようでしたが…」

「たくさんあります。特にファンの皆さんが「レイの隣にいるから」「イーシンを応援するよ」というバナーを作ってくれていた時は本当に泣きそうでしたね。EXOのメンバー皆同じように感じていると思いますが、ファンの皆さんは本当に僕たちにとって大切な存在で、その存在自体に意義があります。皆さんがいなけば僕たちはステージに立つことができないからです。僕が皆さんに願うことは何もありません。僕に想いを伝えたいとおっしゃってくれるならば、手紙を書いてください。全部読みます」

 

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「最後になりましたが、レイさんは今回のコンサートを通して自らのどのような点が成長されたと思いますか?」

「僕はステージ以外のことをお話したいと思います。自分が持っている欲を少し捨てる方法を身につけたみたいです。「より多くのものを得たいならば、より少なく持って行きなさい」という言葉を再確認することができました。中国のスケジュールがコンサートと重なることが多かったので何とかして調整しなければならなかったのですが、簡単なことではありませんでした。コンサート当日にツアー都市へ到着してリハーサルと公演を行い、すぐ再び中国へ戻らなければならないということもしばしばでした。そうしているとステージ上で自分が納得のいくダンスや歌をお見せすることができないということがどうしても起こってしまいます。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。この経験を経て学んだことは、欲を捨てるよりはステージ上で「できる限り最善を尽くす」という気持ちです。それでも次のコンサートではまたああしたいこうしたいと欲が出てきてしまいます。だからこそスケジュールが発表されたらしっかりと調整を行い、体のコンディションも整えてステージで集中できるように努力しなければならないと考えています」

 

「今回の公演でメンバーの長所を新しく発見したと思います。レイさんが羨ましいと思うEXOメンバー達の長所は何ですか?」※写真のチョイスに異論は認めません

 

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「僕が思うシウミン兄さんの羨ましいところは、ズバリ身体です。かっこいいじゃないですか。僕も体型管理のために運動をコツコツ続けていますが、兄さんのようにがっしりしたスタイルになるにはまだまだ頑張りが足りないみたいです。そして兄さんは性格も良いです。注意深い性格なので弟たちをきっちりまとめてくれます。」

 

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「スホはいつも自信に溢れています。普段から努力をしているのでそれが自信に繋がるんだと思います。堂々としている姿は見ていて素敵です」

 

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「ベッキョンは声がとっても羨ましいです。重みがあるし、高音も良いです。イタズラもたくさんしますが、彼は何をしても面白いですから」

 

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「チェンは歌を通して想いを届ける力、がずば抜けていると思います。僕が書いた曲は全部チェンにあげたいです。僕が作った曲をチェンが感情を込めて歌ってくれたらって考えただけでもいいですね」

 

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「チャニョルは背が高くてイケメンでしょ。音楽の才能もあります。特に作曲はとっても上手です。僕とは少しジャンルが違いますが、彼が作った曲をよく聞かせてもらいます。どれも良い曲ばかりです」

 

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「ディオは歌なら歌、演技なら演技と全てのことに一生懸命取り組んで、そして全て上手くやってのけます。この多才さが羨ましいです」 

 

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「カイはダンスです。カイといえばダンスでしょう。カイがセンターに立てばEXOのステージがより輝くものになります」

 

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「セフンはかっこいいです。背も高くて(笑)外見を長所っていうのはちょっとあれなんですけど、セフンのビジュアルは本当に羨ましいです(笑)末っ子という立ち位置で辛いこともあるかもしれませんが、兄たちにとてもよくしてくれて、いつも明るい性格がいいですね」

 

 

私が把握している分ではインタビュー記事は以上になります。いや〜レイさん流石っす。拝読いただきありがとうございました!

 

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来日ミッション大成功につき、厚く御礼申し上げます

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いつ頃から始めたものだったか全く記憶にないので、この記事を書くにあたって専用アカウントの方をばば〜っとスクロールして最初のツイートを確認してみた。
2015年の5月4日。製作者の方へメンションを送り、最低限の確認事項である「工場へはどのくらい発注する予定か?」「個数制限はあるのか?」「海外にはいつ頃から発送可能か?」という質問を早々に済ませた後、衣装のバリエーションや特典の有無など、必要以上に細かいところまでネチネチ聞いていたDMが一緒に残っていて「ハンッ!自分超しつこい!」と、そっとアプリを閉じた。
 
今回は友人と2人でこのぬいぐるみを輸入代行することになっていた。今回は、という言葉は私自身こういった共同購入に関わったことがないため使うべきではないかもしれないが、最終的に2度任せていただけることになったのでこう記すのが適当だと思う。
友人は何度かスーパージュニアの方で「個人輸入」として商品を購入した経験があるらしく、ほぼ彼女の指示でこのとりまとめは進行していた。ちょっとケチつけたのは梱包くらいで、後はベルトコンベア状態で言われた通りにこなした。普段は大雑把なくせにこういう時だけ妙に張り切ってリストやら何やらを作り始めた私を、友人はジト目で不思議そうに眺めていた。
 
いくらツイッターで毎日見ているからって、何度かリプライを交わしたからってその人の人となりがわかるわけじゃなし、それなのに私になら任せてもいいと言ってくださった方がいて「んだば俺がやんねば誰がやんのさ」と一念発起し、このシンミ来日計画を実行するに至ったわけであります。(まさか2度に渡って来日なさるとはこの時はまだ知る由もない…
 
 
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早速プレイバック。これが第1弾。目が開いていない。糸目である。糸目レイさん。「似てねえ」という声が多く寄せられ、私もちょっと困ってしまった。写真よりも実物の方が可愛いのでこればっかりは何とも言えない。こんなに多くの方がご一緒してくださるとは思ってもみなかったので、本当に嬉しかった。ザッと貼ります。(ダメだったら消しますので…!
 
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ここから個人的優秀賞ピックアップ
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すほちゃんと。
 
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チェナと。
 
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ミニせふんと。
 
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んんん?!詰め合わせ…!優勝!!
 
 
他にもた〜くさんの可愛い写真が。「届きました」「おつかれさまでした」「ありがとうございました」「大切にします」というメールやリプライと共に送られてくるそれがとても嬉しくて、ああ〜やってよかったなって思ったんですね。うん。したらば「第2弾!目が開いたバージョン!いっくよ〜〜!!!!!」
 
…マジか。どうしようか迷ったけど、意外と希望される方が多くいらっしゃって、これは私が連チャンですべきでは。と思ったんですね。もちろん前回と製作者様が同じだったという理由も大きいです。(前金持逃げが多いと聞いていたので) そして去年の秋頃に募集をかけて、商品到着がなんと今年の2月です。こちら。
 
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本当に長い間お待たせしてしまって、申し訳なさで前回よりめちゃくちゃ丁寧に梱包した思い出があります。これも「似てねえ」の声が多くありましたが、実物はそこそこ可愛いので気にしない。
そして「シンミ人形、揉むと顔が変わる件」。輸送時に止むを得ずで潰されたり投げられたりした衝撃で開封直後はちょっと頭とか凹んでるんです。綿だし。それを上から下に〜下から上に〜で揉むと一気に顔がそれっぽくなる。いただいたメールに「自分好みの顔になるように揉んでます」というのがあって、初めて「あっそういう愛で方もあるのね」と。
 
ここから個人的優秀賞ピックアップその2
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奇跡のディズニーコラボ
 
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ほんわかふんわかほんわかホイ
 
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きっと撮ってる最中に何回か落ちた。ん〜〜可愛い。たまらん。

 
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斬新すぎる。優勝。この加工すんごい好きです。後光が差しておる…
 
 
衣装もちゃんと並べてもろて、加工も可愛くしてもろて、シンミちゃんへの愛情がドンドコ伝わってくる素敵な写真ばかりで「うひょー!!!かわいい!かわいい!!」を連呼しておりました。いいね。幸せだ。どうぞこれからも可愛がってあげてください。ご一緒してくださった方々、本当に本当にありがとうございました。
 
↓最後の1体を見送るレイさん
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(そろそろお別れだ…)
 
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(寂しい…)(今いくぞ!)
 
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(幸せになるんだぞ…)
 
 
んや〜!本当任せていただいて嬉しかったです。転職して仕事が忙しくなってしまったのでもうこうやって取りまとめをすることはありませんが、素敵なレイペンさんとご一緒できたことは私の貴重〜な思い出になりました。
皆様ありがとうございました!
 

私が大好きだった5人組の話

 
水は方円の器に随う
水は四角の器に入れると四角に形を変え、丸い器に入れると丸に形を変える。人も同じように、良くも悪くも周りの影響を受けて変化していくものだということのたとえ。
 
先日、ワンダイレクションの末っ子ハリーがデビューより所属していたモデスト・マネージメントを離れ、新たな事務所と契約を交わしたことが発表された。タイミングが微妙というか絶妙すぎて、一夜明けるともう絶望を通り越して逆に喜ばしいことなんじゃないかとか思い始めてきた。新しいエージェントはアメリカの音楽業界じゃ超のつく有名人で、アーティスト達からもとても評判の良いおじちゃまだそう。ハリーを現在までお世話していたモデストは「うちのハリーをよろしくね!私たちが今度ロスに行く時は皆でワインでも飲みながらじっくり語り合いましょう」などという呑気なコメントをしている。
 
…これで良いのだろうか。メンバーがただの1人でも事務所を離れるならばそれは『活動休止』ではなく事実上の『解散』ではないのか。もちろんソロ活動が全てイコール脱退へと結びつくわけではない。だが今まで散々なK-POPの従属契約を見てきた私はこういった発表を公式から受けた場合、覚悟しておいたほうがいいということを東方神起の一件で学んでいる。グループをいったん離れることは新たな可能性を信じている彼が選んだひとつの「道」であると、きっとファンの誰もがそう信じている。私だって応援したい気持ちはある。彼の言葉を聞く限りだと戻るつもりはあるようだし、他のメンバーもちょっとの間休憩するだけだから心配いらない、と語っている。だけど「もしかすると」を捨てきれない人間がいることもわかってほしい。どうして素直に受け入れられないかというと、こっちの方が思いのほか性に合っていたとか、自由に歌えることにまた別の楽しさを見出せるようになったとか、そんな理由からいつどこでどのように風向きが変わってしまうかわからないからだ。
 
事実、彼らは「歌うことが何よりも大好き」で集まったグループである。幼い頃から習っていたダンスで勝ち進んだわけでも、レコード会社に曲を書いて持ち込んだわけでもない。自分の信じてきた歌で勝負したい、皆に聞いてほしいんだと必死な少年達がある一人の審査員の心を動かした結果、生まれた奇跡のグループなのである。私はこのままだと彼が最終的に出した結論がファンの望むその答えでなくとも、頑張れと笑顔で送り出してしまいそうで嫌なのだ。彼の夢はきっと「歌い続ける」ことだろうし、そうすると自分なりの音楽を追求するようになるのはそう遠くない未来だろう。もうこうなってしまった以上どうすることもできないので、ひっそり見守ろうととりあえず曲を聞いている。ラブラブのベタベタ甘甘ソングなのに、どうして泣きそうになっているのかはわからない。
 
 

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「スポットライトが当たらないところでも普通の生活を送りたい。僕は普通の、22歳になりたい」
私が一番好きだったメンバーのゼインは、こう言い残してグループを去った。2015年3月のことだった。コンサートや番組出演も控えている最中、まさかの脱退宣言だった。テレビから流れてきた突然の報道に私は食べていたホットドッグを落とすというジュンス顔負けの反応をしてみせ、一緒にテレビを見ていた友人は飲んでいたお茶を盛大にぶちまけた。その後は彼らを追っかけてイギリスへ飛んだ知人に生存確認のラインを送りまくる一方、高校時代のクラスメイトに半泣きで電話をかけたりなどしていた。一時期は海外アカウントの方もその話題ばかりで、ファ○クという文字がホームを席巻していた。だけどそれも少しの間で、4人のワンダイレクションが活躍の場を広げていくうちに自然とその寂しさは埋まっていった。私自身もゼインの脱退した理由が理由であっただけに「もういいや、それどころじゃないし」と今までのそれは何だったんだというくらいにスッパリ諦めることができていた。
 
というのもゼインがいなくなってから1年、トンデモナイことばかりが起きていた。ルイは長年付き合っていた超絶美人モデルと破局、結婚もしていないのに友人の友人と関係を結び、なんと今年の1月にめでたくパパとなった。エレノアはファン公認の「ルイの彼女」で、もう放っておけばそのうち結婚するだろうと皆が思っていただけに、別れたと聞いた時は開いた口が塞がらなかった。
 
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ルイの思考回路は凡人である私にはよくわからないが、誰が見てもお似合いのカップルだっただけに本当に惜しい。ルイのファンはよくエレノアの格好を参考にしたり、髪型を真似たりしていたらしい。同性から愛される人というのはやはり魅力的である。今を煌めくトップアイドルの彼女が、ファンから好かれるなど賞賛ものではないか。お互いの両親とも顔合わせは済ませており、将来を約束された仲だったという。そのため別れてからもそれなりに交流はあるらしく、今回の一件をエレノアはルイ本人ではなくルイの母親から聞いてショックを受けたとか。もういやだ切ない。
 
リアムはリアムでどっかの気の強そうな子と破局したらしいし、当のゼインも婚約していたペリーとまさかの破局、結婚には至らなかった。婚約イコール結婚と考えていた身としては彼の選択は「有りか無しかで言ったら無し」なので、これにはちょっと引いたというかガッカリしてしまった。カルチャーショックと言い聞かせるにもそろそろ限界がきている。
 
末っ子のハリーは殺害予告を受けるにとどまらず、ステージ上で盛大にずっこけるやらファンの投げた正体不明の固形物が目を直撃するやらで文字通り散々な1年だった。唯一当たり障りのない記事ばかりで和ませてくれたのは、平和主義のナイルである。遠距離恋愛?と報道はあるにはあったけれど、あまり詳しくは突っ込まれずに終わった。何故かナイルのネタは他のメンバーと比べると過激さに欠けるものが多い。クソ真面目と自負する性格のせいなのか、それともびっくりするくらい童顔なせいなのか。ナイルと子犬を隣に並ばせると10人中3人はどちらが子犬かわからないという。そんなわけない。しかしそのくらいきゅるるん☆とした瞳をしているのである。声が好きという理由でゼイン推しだった私だが、顔と性格に至っては他の誰でもなくナイルがぶっちぎりのトップである。
 
もう半年も前のことになるが、ホテルからコンサート会場までの移動の際にファンとの記念撮影に応じていたナイルが突然激怒したというニュースが流れた。普段から温厚でのほほんとしているだけに何故?!と驚いたが、どうやらパパラッチから「邪魔、どっか行け」と押しのけられ罵倒されたファンを目撃し、それを庇った故の発言だったそう。ツイッターでも「僕らのファンを貶すような真似は二度としないでくれ」と一喝。もうナイルちゃん超好き。結婚して。一人だけタトゥーをいれていないとか、そういうところもいい。脱ぐと真っ白な腕がまぶしい。(歓喜)
 
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ワンダイレクションの魅力と言うと歌声もそうだが、各々のそれを最大限に生かすべく制作された耳馴染みの良いメロディーにある。これは海外のボーイズグループ全てに当てはまることだが、日本や韓国等アジア圏のアイドルのコンサートとは違いペンライトを使わずに進行することが前提にあるため、手拍子を打ちやすいテンポの曲が非常に多い。(よくコンサート中に撮ったと思われるキラキラした写真が流れてくるが、9割方が携帯のライトもしくは写真撮影の際のフラッシュである)4人で発表した最新曲「History」も例にもれず全体的にゆったりとした仕上がりになっていて、初めて聞く人でもスッと入っていける曲だなという印象を受けた。良い意味で初心者向けで、リズム音痴でもノリやすい。おまけにコーラスも多く取り入れている。人がテンポを知覚するためには「手拍子が打ちやすい=楽曲の拍を刻みやすいかどうかに起因する」といつか記事で読んだことがある。親子3世代で楽しめるコンサートの秘訣は、きっとここにあるのだろうと思う。

 
だがこの「皆から愛される曲」に対するジレンマを抱えたまま歌手活動を続け、最終的に脱退という道を選んだメンバーがいた。
ゼイン「自分の発言が通ったことはなかった。求められたことをただこなすだけ。彼ら(プロデューサー)の望む通りに歌わないと何十回もレコーディングを繰り返さなきゃいけなかった」
ゼイン「100%支持できる音楽じゃなかった。自分が幸せだと思わないことを幸せだと思えと言われて過ごしていた」
などなど。こうもハッキリと自分らしさを押し殺して生きていた、辛かったなどと言われると、彼にとっての脱退は歌う楽しみを取り戻すことのできる最初で最後のチャンス(?)だったのかもしれないと思うようになった。最近のインタビューでは「初めから辞めることばかり考えていた」とも語っている。ファンからすると5人のワンダイレクションを美しい思い出としてしまっておきたかっただけに、このコメントには批判が相次いだ。デビューするためだからしょうがなかったと言われたらそれまでだが、私は彼の声が好きだったし、ワンダイレクション5人の歌が大好きだった。日本人からすると脱退した側からの「暴露」は元のグループが機能しているまでは暗黙の了解で話してはいけない、みたいなところがあるが、海外でのバンドやグループではこういうことは頻繁にある。これもとりあえずはカルチャーショックという括りに置いておこう。
 
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私はただ彼らの声が好きで、曲が好きであったから「ワンダイレクション」を聞いていたというファンの一人にすぎない。来日しても空港までお迎えには行かないし、ホテルの特定に時間を割いたりしない。朝から並んでグッズを買い占めることもなければ、チケット争奪戦にはちゃんと正攻法で挑む。だけどCDは買っている。どこにでもいる普通のファンである。そんな私でも活動休止はとても寂しい。これからどこに向かうのか、誰にもわからない。最高の笑顔と最高の歌で世界中に花を咲かせたあの頃の彼らはもういない。5人全員が、皆で同じ方向へと進むことを望まなかった。それを咎めることはファンにはできない。だからこそ「自分のしたい音楽」をグループが活動休止を発表する前に、ハリーにやらせてあげるべきじゃなかったのかと思ってしまう。もう5人の再集結は確率的に言うと限りなくゼロに近い。だけどあの声がまた4人と重なることをどこかで待っている自分がいる。ゼインが脱退してから発表した曲はもちろん全部聞いたけれどやっぱりどこかに面影を探してしまう。この高音パート、もしかしたら歌ってたかもしれないんだなあ…とか。
 
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最近はほとんどこれ(↓)ばかり聞いている。個人的にゼインは初期のビジュアルが神だと思っているので、直視すると死んでしまう。ナイルちゃんは安定の可愛さ。これを聞くと良い夢が見れます。本当です!!!!ぜひ!!!!(助けて!!今日も終わり方がわからない!!!)
 
 

いやよいやよも好きのうちと

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アイドル業をちょっとばかしお休みしているあの人のインタビュー記事をチラリと読んだ。初っ端から「あれ〜こんなこと言っていいのか〜」という箇所を見つけ、事務所の許可はとかマネージャーがどうのとか、思わず彼の今後を心配してしまう自分がいて、可笑しいかもしれないけどなんだかちょっと安心した。どうやらまだ好きらしい。彼はまだしばらく私をファンでいさせてくれるらしい。
 
母国で行われたインタビューらしく、あちらこちらで中国語が飛び交う。故にいつだったかリツイートで回ってきた英語に訳された記事を私はざーっと目で追っていた。出だしは順調だった。だけどだんだん盛り上がっていくにつれて、単語や人物名はわかるのに何の話をしているのか全く理解ができなくなってくる。彼(ら)との時間を共有できていなかった私には、それは想像もつかない領域だった。きちんと最初から最後まで彼の中国での活動を追っているファンにとっては、答え合わせをしているようなものだろうと思う。「ああ、あの時の!」言えたらどんなに良いか。
 
 
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ファンがアイドルに求めるものは人それぞれだが、私にとっての「レイさん」は渇ききった心に癒しを提供してくれるオンリーワンの存在である。とにかく癒される。おそらく彼の全身からは滝のごとくマイナスイオンが放出されているに違いない。ただ画面越しに見ているだけでもぽわぽわと幸せな気持ちになるせいか「もっと近くで拝みたい!会いたい!」と思うようになるのは当然のことだろう。何せアイドル出身だ。だけど今現在、彼にはそう簡単に会えない。お金を払っても、そう簡単に会えない。
 
「お金積んでも会えないアイドルなんかもうアイドルじゃない」by友人
 
ところで先日。ファンミーティングと称した選挙活動が今春日本、東京にて行われることが発表された。これも正直微妙である。私の推しは参加できるかどうかわからない。そんな不確定な情報をもらったところでチケットを取ろうとするファンがどれだけいるのだろう。海外アイドルを応援している私たちにとって来日コンサートやファンミーティングというのは「年に数回あるかないかのバカンス」であり「アンチエイジングの時間」なのだ。その時だけは水を得た魚のようにイキイキし、現実を忘れられる。ひたすらに叫び、踊り、そして号泣するのである。カレンダーを見ては幸せな溜息をつき、ばつ印をつける。視界に入らないとわかっていてもダイエットしてみたり、一週間前ともなると気合いを入れてパックなど美容に念を入れ始める。ファン同士のコミュニティやダンスユニット、会場付近での配布物や即売会なども今や韓国アイドルとセットになって当日は花火大会ぶりのお祭り騒ぎである。
 
…この楽しみを誰が邪魔できよう。「残念ながらチケットをご用意することができませんでした」ならまだしも「中国でのスケジュールのため今回のコンサートには参加できません」はちょっと傷つく度合いが違う。前者が50万ボルトに対し、後者は100万ボルトだ。(行けピカチュウ!) 優先順位は単純に考えるとわかるはずなのに誰かがどうやら変な小細工しているらしい。これは工作室や事務所がどうこうの問題じゃなく、ハッキリ言ってオカシイと私は思う。9人グループのコンサートならばもちろん9人全員が来ると想定してチケットを取るし、万が一来れないような場合よっぽどのことがない限りは前もって申告するのが常識である。素人じゃないんだから1ヶ月毎にウキウキしながらスケジュール帳に予定を書き込むわけはない。コンサートなんか何ヶ月も前から場所をおさえておかなければ契約として成り立たない。
な・ら・ば・何・故
答えはまだ、誰も知らない。
 
 
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今回のインタビュー記事では「イーシン節」を感じさせてくれるような力強い発言がたくさんあって良かったと思う。だけど空港での出待ちの件。英語で記して数行だから中国語ではもっと短いかもしれない。そんなに深く考えないままに、ぽろっと口から出てしまったものなのかもしれない。それでもそのたった数行には、彼の葛藤がぎっちりみっちり詰め込まれていた。
 
インタビュアー「世界中を飛び回っているとファンが君を迎えに空港まで来たりするでしょ?正直どう思ってるの?」
レイさん「以前はプレゼントをくださる方も含めて、 僕は空港の出待ちというものにあまり良い印象を抱いていませんでした。大勢で走ったり大声を出したり、空港を利用している一般の方に迷惑をかけてしまうんじゃないかって。僕は皆がもっと意義のあることにその時間を割いてほしかったんです」
 
ここまではいつものレイさん。…が?
 
「でも今はこうも思うんです。僕に会うためにどれほど大変な思いをしてここに来ているのかって。もしファンの子達が僕を見て幸せだと感じてくれるのであれば、それもまたひとつの幸せの形なのかもしれません。だけど皆さん、くれぐれも安全には気をつけてくださいね!」
 
おっとっとっと。おっとーーー!英文からの訳なので少々肉付けしてますが、だいたいこんな感じのことをおっしゃっておられた。レイさんはその昔「手紙でじゅうぶん、物はいらないよ」「僕に何かを買うお金があるならそれを君のご両親のために使ってあげて。それも僕にとっては立派なプレゼントだからね」と話していた。ここにきて出待ちの話題が出ることにも驚いたが、いつもファンのことを考えているレイさんから生まれた結論がこのコメントだということを思うと、やっぱり少し悲しかった。他に言うことあるんでは、じゃなくて、何というか。以前は苦手だったものが年をとるにつれてある程度までなら許容できるようになったとか、新しい世界を知ったことで今までの自分の行いを改めようとするとか、そういうことじゃない。レイさんの今回の発言は「孤独」から来る「焦り」と「揺らぎ」に他なかった。
 
 
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エクソとして活動する機会が減ったことで自分を一番に応援してくれていたファン達は自然と離れていった。だからって「僕を好きでいることをやめないで」なんて言えるわけがない。震える声で絞り出した「僕を嫌わないで」がやっとだった。自分の周りから当たり前が消えていく。目に見えない繋がりが切れていく。生きていれば誰だって不安や孤独を感じることはある。何故ここにいるのだろう。何故この道を選択したのだろう。ふとした時に、それを振り返るきっかけが出来る。そして人は初めて自分の側にいてくれた存在の大切さに気付くのだ。誰かが自分のためにしてくれたこと。自分が誰かのためにしてきたこと。じゃあ、これからはどうだろう?
 
レイさんもきっと、ファンの期待に応えることができない自分を歯痒く思っている。だけど、そんな自分でも、後押ししてくれる人がいること。導いてくれる人がいること。そして「LAY」の帰りを待ってくれている人がいること。個人活動に身を置くことで、そのありがたさがより感じられるようになったのかもしれない。どんな形であれ自分という存在を認めてくれるならばそれは幸せなこと、むしろ素直に喜んでいいことなんだ、と。レイさんが個人事務所を立ち上げると発表した後に大手のペンカフェさんやマスターさんがこぞって「あなたを支持します」という声明を出したことを、私は今でもハッキリと覚えている。ファンはひたすらツイッターやインスタのタグを行使してサランへレイやらアイラブレイやら打ち込んでいたけど、この熱すぎるくらいのエールはレイさんにちゃんと届いていたと思う。あの時の「愛してる」にはもちろん「頑張れ」の意もあったけど「やめないで」という祈りに似た感情も込められていた。
 
 
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昔の写真を見ていると「かわいい」というより「懐かしい」と感じるようになってしまったのはいつだったか。実はこの金短髪はつい最近まであまり好きじゃない髪色アンド髪型だった。だけどここのところあまりにもエクソエクソしているレイさんを見ることができないから、過去の思い出達から補充しているというわけである。もっと綺麗にブリーチしてもらえばいいのに、なんてスクロールしながら画像を漁っていると「僕の髪は色が入りにくいから何度も脱色剤を使われて。頭皮が痛くて本当に死にそうでした」という記事が出ていたことを知り、つい20秒前の自分に謝るなどしてみる。死ぬ気で耐えたその色はお世辞にもあまり良い色とは言えなかったけど、努力の黄色として私の頭に刻みこまれた。マドレーヌ割った時こんな色だよね。
 
そしてなんと、わずかだが今回の個人事務所設立のインタビューにはエクソについて言及している箇所もあるのだ。まあ背負って活動しているから当然っちゃ当然だが、エクソの何について話すのかちょっとヒヤヒヤしていた私はこういう回答が聞けてホッとしたところがある。仕事仲間であり、兄であり、弟であり、友人。時には先輩、時には後輩。先生になることだってある。血は繋がっていないけど、兄弟のいないレイさんにとっては8人みんな大事な家族だ。
 
「あえて言葉にしたりはしないけど、僕たちは今でも会うと笑顔でハグをする。些細なこと。小さな愛情。それを繰り返していくうちに、気付いたらもう家族になってる」
 
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韓国語があまり話せなかった時、レイさんはスキンシップで人との距離を縮める努力をしていたのかもしれないと思うことがある。このコメントを聞いてレイさんらしいと思ったし、やっぱり根っこの部分は変わらないんだなと嬉しい気持ちになった。
 
 
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これからも笑顔が伝染するようなグループであってほしい。レイさんには、その一員でいてほしい。